サラリーマンに「経費」はないの?給与所得控除(みなし経費65万〜195万円)の仕組み

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「自営業の人は領収書を集めて経費で節税できるのに、サラリーマンは経費が使えなくて損をしているのでは」

給料明細を開いて所得税、住民税、社会保険料が容赦なく引かれているのを見るたびに、そう感じたことがある人は少なくないはずです。

実はサラリーマンにも、税法上れっきとした「みなし経費」が自動的に用意されています。給与所得控除という制度です。領収書を1枚も集めなくても、年収に応じて最低65万円、最大195万円が「仕事にかかった経費」として給与収入から自動的に差し引かれています。しかもこの給与所得控除、令和7年度の税制改正でルールが大きく変わったばかりです。この記事では、給与所得控除の現行の計算方法と、自分で経費を積み増せる特定支出控除、そして副業と組み合わせたときの実務まで、国税庁の一次情報にもとづいて整理します。

1. サラリーマンの経費=「給与所得控除」とは

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個人事業主やフリーランスは、仕事で使ったパソコン代や交通費、事務所家賃を1枚ずつ領収書で集めて「実費経費」として確定申告します。一方、日本の給与所得者は数千万人単位でいるため、全員が領収書を集めて申告する仕組みにすると、税務署も会社の経理も回らなくなります。そこで、年収に応じてあらかじめ概算の経費額を一律で差し引く仕組みが作られました。これが給与所得控除です。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1410 給与所得控除」では、次のように説明されています。
『給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出しますが、この給与所得控除額は、給与等の収入金額に応じて、次のようになります』
根拠法令は所得税法第28条、第57条の2、同法別表第五です。
出典:国税庁 タックスアンサー No.1410「給与所得控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm(令和7年4月1日現在法令等)

つまり所得税や住民税は、額面給与の全額にかかるのではなく、この給与所得控除を差し引いたあとの「所得」に対して計算されます。

給与所得=給与等の収入金額(額面年収)-給与所得控除額(みなし経費)

【現場のリアル】年収シミュレーターと給与明細の数字が合わなくて焦った話

転職活動中にエージェントの年収シミュレーターで「手取り予測」を見て、いざ入社後の初任給明細を開いたら想定より少なくて青ざめた、という相談は総務や社労士のもとに毎年舞い込みます。ある30代の会社員は、転職前に見たシミュレーターの数字と実際の給与所得控除後の課税額が食い違っていたため、給与計算ソフトが間違っているのではと人事に問い合わせました。しかし調べてみると、原因はシミュレーターが旧年度の給与所得控除の速算表をそのまま使っていたことでした。令和7年分から最低保障額が55万円から65万円に引き上げられ、控除の始まる年収の区切りも180万円から190万円に変わっています。年度をまたぐ改正の反映漏れは、意外と身近なところで起きています。

2. 給与所得控除額の計算早見表(令和7年分以降)

給与所得控除は年収(額面)に応じて段階的に決まります。令和7年度税制改正により、令和7年分以後の所得税から次の速算表が適用されています。

給与等の収入金額(年収)給与所得控除額の計算式具体例
190万円以下一律65万円年収103万円 → 65万円
年収180万円 → 65万円
190万円超 360万円以下収入金額×30%+8万円年収300万円 → 98万円
360万円超 660万円以下収入金額×20%+44万円年収500万円 → 144万円
660万円超 850万円以下収入金額×10%+110万円年収700万円 → 180万円
850万円超一律195万円(上限)年収900万円 → 195万円
年収1,500万円 → 195万円

令和6年分以前は最低保障額が55万円、控除が定額になる境目も180万円でしたが、令和7年分からは最低保障額が65万円に引き上げられ、定額適用の範囲も190万円まで広がりました。パートやアルバイトで年収190万円以下の人は、それだけで自動的に65万円の非課税枠が確保されている計算になります。

具体例で見る「みなし経費」の大きさ

たとえば年収500万円の会社員の場合、年間144万円が給与所得控除として引かれます。これは、毎月12万円分の領収書をノーチェックで経費計上しているのとほぼ同じ効果です。スーツ代、靴代、ビジネスバッグ代、通勤の雑費を実際にそこまで使っていなくても、無条件で144万円が非課税枠として差し引かれる仕組みになっています。

3. かつての「103万円の壁」は今どうなった

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パートやアルバイトの働き方でよく話題になる「103万円の壁」も、実は令和7年度税制改正で数字そのものが動きました。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」では、次のように案内されています。
『これらの改正は、原則として、令和7年12月1日に施行され、令和7年分以後の所得税について適用されます』
基礎控除は合計所得金額に応じて段階的に定められており、合計所得金額655万円超2,350万円以下の場合は58万円(改正前48万円)とされています。合計所得金額132万円以下の場合は95万円、132万円超336万円以下の場合は令和7年分・8年分に限り88万円(令和9年分以後は58万円)となる時限的な上乗せが設けられています。
出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」 https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm、および国税庁タックスアンサー「No.1199 基礎控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm

これまでの「103万円の壁」は、基礎控除48万円と給与所得控除の最低保障額55万円を足した数字でした。改正後は、基礎控除の恒久的な引き上げ分58万円と、給与所得控除の最低保障額65万円を足した123万円が新しい基準線になります。加えて、パートやアルバイトなど収入が一定水準以下で合計所得金額が132万円以下に収まる人は、令和7年分・8年分に限り基礎控除が95万円まで上乗せされるため、65万円と合わせて160万円まで所得税がかからない、という報道もよく見かけます。この95万円の上乗せは令和7年分・8年分限定の時限措置である点には注意が必要です。

ここで必ず押さえておきたいのは、この123万円や160万円という数字はあくまで所得税の話であって、社会保険(厚生年金・健康保険)の扶養に入れるかどうかを分ける106万円や130万円の壁とは別の基準だということです。税制上の壁が動いたからといって、勤務先の社会保険の加入条件まで一緒に動いたわけではありません。

【現場のリアル】「103万円は気にしなくていい」と聞いて働きすぎた話

令和7年度の改正が報道された直後、あるパート従業員の家庭では、高校生の子どもが「今年から103万円は気にしなくていいんでしょ」という友人の話をそのまま信じて、年末にかけてシフトを大幅に増やしました。ところが実際に集計してみると、給与収入が130万円を超えたタイミングで親の社会保険の扶養から外れる可能性が出てきて、慌てて勤務先の総務に確認する事態になりました。所得税の壁が123万円や160万円に変わったニュースと、社会保険の扶養が外れる106万円・130万円の壁は、そもそも管轄している法律も判定の仕組みも別物です。ニュースの見出しだけで判断せず、自分の勤務先が社会保険の適用対象になっているか、扶養している家族がいくつの壁を意識すべきかは、総務や年金事務所に個別に確認したほうが安全です。

4. サラリーマンがさらに経費を上乗せできる「特定支出控除」

「自分は営業職で、スーツ代や出張の自己負担、研修費が給与所得控除の額を大きく超えている」という人のために、会社員でも領収書ベースで経費を申告できる制度があります。特定支出控除です。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁タックスアンサー「No.1415 給与所得者の特定支出控除」では、次のように定められています。
『給与所得者が次の1から7の特定支出をした場合、その年の特定支出の額の合計額が、給与所得控除額の2分の1相当額を超えるときは、確定申告によりその超える部分の金額を給与所得控除後の所得金額から差し引くことができる』
根拠法令は所得税法第57条の2、所得税法施行令第167条の3から第167条の5、所得税法施行規則第36条の5・第36条の6です。
出典:国税庁 タックスアンサー No.1415「給与所得者の特定支出控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1415.htm(令和7年4月1日現在法令等)

特定支出控除の対象となる7つの支出

  1. 通勤費(会社から支給される部分を超える、通例必要と認められる通勤のための支出)
  2. 職務上の旅費(令和2年分以後、通勤費とは別枠で対象化された職務上必要な旅費)
  3. 転居費(転勤に伴う転居のための支出のうち会社負担でないもの)
  4. 研修費(職務に直接必要な技術や知識を得るための研修費用)
  5. 資格取得費(弁護士、公認会計士、税理士、医師などの資格を取得するための費用)
  6. 帰宅旅費(単身赴任者が配偶者のもとへ帰る旅費)
  7. 勤務必要経費(職務に直接必要な図書費、衣服費、交際費など。合計65万円が上限)

なぜ特定支出控除はほとんど使われていないのか

制度が知られていない最大の理由は、利用のハードルの高さにあります。特定支出控除を使うには、その年の特定支出の合計額が「給与所得控除額の2分の1相当額」を超えなければなりません。しかもすべての支出について、給与支払者(会社)またはキャリアコンサルタントの証明書を添えて確定申告する必要があります。

年収給与所得控除額特定支出控除が使える基準額(2分の1)
年収400万円124万円年間62万円超の自腹支出が必要
年収600万円164万円年間82万円超の自腹支出が必要
年収800万円190万円年間95万円超の自腹支出が必要

自腹でスーツや専門書を年間80万円以上購入し、なおかつ会社から「これは業務に必要な支出でした」という証明書をもらう必要があるため、利用者は極めて限られています。国税庁が公表した集計を報じたメディアによれば、平成30年分の特定支出控除の適用者数は全国で1,704人でした。給与所得者がおよそ5,500万人いる中での数字なので、制度の存在自体を知らないまま働いているサラリーマンがほとんどというのが実情です。出典:税務会計経営情報サイト TabisLand「平成30年分の特定支出控除適用者数は1704人」 https://www.tabisland.ne.jp/news/tax/2019/0618.html(国税庁公表資料に基づく報道)

【現場のリアル】会社に証明書を頼んだら「前例がないので出せません」と断られた話

ある製造業のメーカーで技術営業をしていた社員が、資格取得費と出張の自己負担分を合わせて年間90万円ほど自腹で支出していたことに気づき、特定支出控除を使おうと総務に証明書の発行を依頼しました。ところが返ってきた答えは「うちでは前例がないので出せません」という一言でした。特定支出控除の証明書は税務署が発行する定型フォームがあり、会社側は空欄になっている「支出の内容が職務に必要であった旨」の欄に押印するだけで済むのですが、担当者がその制度自体を知らず、余計な工数を増やしたくないという理由で及び腰になるケースは珍しくありません。結局この社員は、国税庁のホームページから証明書の様式をダウンロードして総務に持ち込み、税務署に問い合わせた際の担当者名を伝えることで、ようやく発行にこぎつけました。特定支出控除を使いたい場合は、証明書の様式を自分で用意したうえで、いつ・誰が承認したかを記録に残しながら早めに動くのが現実的な進め方です。

5. サラリーマンが手取りを増やすための現実的な4つのアプローチ

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特定支出控除の利用が現実的でない以上、サラリーマンが合法的に税金を抑えて手取りを増やすには、所得控除をフル活用することが最も確実な方法になります。

iDeCo(個人型確定拠出年金)で全額所得控除

掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除として所得から差し引かれます。企業年金のない会社に勤める会社員の場合、iDeCoの掛金上限は月額2.3万円(年額27.6万円)です。企業型確定拠出年金(企業型DC)のみに加入している場合の上限は、令和6年12月の制度改正で月額1.2万円から月額2万円に引き上げられています。仮に年収500万円の人が毎月2万円(年24万円)を積み立てた場合、所得税・住民税の合計で年間5万円前後の負担軽減が見込めます。なお、令和8年12月にはiDeCoの拠出限度額と加入可能年齢がさらに引き上げられる制度改正が予定されています。

ふるさと納税(税額控除の活用)

実質自己負担2,000円で、翌年度の住民税や当年の所得税から直接控除され、各自治体の返礼品を受け取れる制度です。給与所得が上がるほど控除の上限額も上がります。

生命保険料控除・地震保険料控除の漏れない申告

国税庁タックスアンサー「No.1140 生命保険料控除」によれば、平成24年1月1日以後に締結した契約(新契約)の場合、一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料はそれぞれ最大4万円、合計適用限度額は12万円です。地震保険料控除と合わせれば、年末調整の保険料控除証明書を提出するだけで最大17万円分の所得控除が受けられます。出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1140.htm

家族の扶養控除・配偶者控除の最適化

共働き夫婦で子どもをどちらの扶養に入れるか、別居している高齢の親(70歳以上で年金受給中など)に仕送りをして扶養に入れられないかを見直すことで、数十万円規模の控除枠が生まれることがあります。

6. 会社員の「給与所得控除」と個人事業主の「実費経費」どちらが得か

比較項目サラリーマン(給与所得控除)個人事業主・フリーランス(実費経費)
経費の認められ方年収に応じて自動的に一律控除(65万〜195万円)実際に支払った領収書・レシートの実費のみ
領収書の集め・保管一切不要帳簿作成・領収書の7年間保存が必須
税務調査のリスク原則なし(会社が計算するため)経費の妥当性について調査を受けるリスクあり
経費の自由度低い(実費がいくら多くても法定額固定)高い(パソコン・家賃・車・交際費などを事業按分可能)
社会保険料の負担会社が半分負担(労使折半)全額自己負担(国民健康保険・国民年金)
青色申告特別控除なし最大65万円の控除あり(要複式簿記)

年収500万円の会社員は、1円も使っていなくても144万円の経費が引かれた状態で課税所得が計算されます。個人事業主が同じ額の経費を計上するには、実際にそれだけのお金を財布から出す必要があります。さらに厚生年金や健康保険料も会社が半分負担してくれているため、税金と社会保険料の両面で見ると、年収850万円以下のサラリーマンはかなり手厚く守られている側だと言えます。

7. 年収別「給与所得控除・所得・手取り額」早見表

額面年収から給与所得控除を差し引くと、給与所得(課税対象となる所得)はいくらになるのか、令和7年分以降の速算表に基づいて一覧にまとめました。

額面年収給与所得控除額給与所得(年収-控除)控除の割合
103万円65万円38万円63.1%
200万円68万円132万円34.0%
300万円98万円202万円32.7%
400万円124万円276万円31.0%
500万円144万円356万円28.8%
600万円164万円436万円27.3%
700万円180万円520万円25.7%
800万円190万円610万円23.8%
850万円195万円(上限)655万円22.9%
1,000万円195万円(上限)805万円19.5%
1,500万円195万円(上限)1,305万円13.0%

年収が上がるにつれて給与所得控除の割合が下がり、税率区分も上がっていくため、手取り率は徐々に下がっていく構造になっています。なお、実際の手取り額は社会保険料率(協会けんぽの都道府県別料率、厚生年金の標準報酬月額の上限など)や扶養家族の有無、住んでいる自治体の住民税率によって数万円単位で変わります。独身・扶養家族なしという前提で概算すると、年収500万円で手取りはおよそ390万円前後、年収700万円でおよそ530万円前後になりますが、これはあくまで目安です。正確な手取り額を知りたい場合は、勤務先の給与計算担当か、国税庁・全国健康保険協会が公表している料率表を使ったシミュレーションで確認することをお勧めします。

なお、年収850万円を超える人のうち、23歳未満の扶養親族がいる、あるいは本人や家族が特別障害者に該当する場合は、国税庁タックスアンサー「No.1411 所得金額調整控除」により、(給与等の収入金額(1,000万円超の場合は1,000万円)-850万円)×10%の控除が別途上乗せされます。850万円の壁で税負担が急に重くなる子育て世帯や介護世帯への配慮として設けられた制度です。出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1411.htm

8. 給与所得控除と副業の経費を組み合わせるハイブリッド節税

給与所得控除を最大限に活かしながらさらに経費を積み増したい場合、現実的な選択肢は「会社員を続けながら個人で副業を行う」という形です。

本業の給与(年収500万円)には給与所得控除144万円が自動で適用されます。これとは別に、個人で行う副業の売上(年間100万円)に対しては、自宅の家賃按分やパソコン代、通信費などの実費経費を50万円計上できたとすると、合計で194万円分の経費枠を合法的に使い分けられる計算になります。

本業では給与所得控除と社会保険の会社折半という給与所得者ならではの恩恵を受けながら、副業の売上に対しては個人事業主と同じように実費経費を積み上げられる。この二本立てが、現行制度のもとでは最も無理のない節税ルートです。ただし副業の所得が年間20万円を超えると、国税庁タックスアンサー「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」の要件に該当し、確定申告が必要になります。副業の帳簿と領収書は、年末調整とは別に自分で管理しておく必要がある点は忘れないようにしてください。出典:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

9. よくある質問

自腹で買った仕事用のノートパソコンやスマホ代は年末調整で経費にできますか

通常の会社員は、年末調整でも確定申告でも経費として計上できません。給与所得控除の中にあらかじめ含まれているとみなされるためです。会社に在宅勤務手当などの非課税規程があればその範囲で実質的に負担が軽くなりますが、個人が年末調整の書類に領収書を貼って提出するという運用はありません。

給与所得控除は自分で計算して年末調整の用紙に書く必要がありますか

いいえ、通常は会社の給与計算システムが自動計算します。基礎控除申告書には「給与所得の収入金額」と「所得金額」を自分で記入する欄がありますが、収入金額さえ正しく書けば、控除額の速算表への当てはめ自体は会社側の計算に委ねられます。自分で概算を確認したい場合は、この記事の早見表か、国税庁が公開している源泉徴収税額計算ツールを使うと迷いません。

年収850万円を超えると税金が急に重くなると聞いたのですが本当ですか

はい。令和2年分の税制改正で、年収850万円超の給与所得控除が一律195万円で頭打ちになる仕組みが導入され、令和7年分以降もこの上限自体は維持されています。ただし23歳未満の扶養親族がいる場合や、本人・家族が特別障害者に該当する場合は、先述の所得金額調整控除が適用され、増税幅が緩和されるよう配慮されています。

まとめ

サラリーマンには領収書の代わりに、給与所得控除という自動適用のみなし経費が用意されています。令和7年分以降は最低保障額が65万円、190万円までは一律65万円という新しい速算表が適用されており、旧年度の情報のまま計算すると数万円単位のずれが出ます。かつての103万円の壁も、基礎控除の引き上げと給与所得控除の最低保障額引き上げにより123万円、条件付きで160万円という新しい基準に変わりました。自腹の経費を積み上げる特定支出控除は制度としては存在するものの、給与所得控除額の半分を超える支出と会社の証明書が必要なため、現実的に使える人はごく一部にとどまります。

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スマホで5分!年末調整の申告書を自動作成

現実的な節税の王道は、iDeCo、ふるさと納税、保険料控除、扶養控除・配偶者控除といった所得控除を漏れなく申告することです。年末調整の書類で自分の給与所得控除がいくらになるのか、基礎控除申告書の見積年収欄に何を書けばいいのか迷ったときは、この記事の速算表を手元に置いて、収入金額を当てはめながら埋めていくと迷いにくくなります。手書きでの計算や転記に不安がある場合は、スマホで質問に答えるだけで給与所得控除や所得金額を自動計算できる『書けた年末調整』のような入力支援ツールを使うと、記入ミスを減らせます。

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