【副業サラリーマンの年末調整】副業収入は年末調整で会社に申告する?20万円以下なら会社に言わなくていい?

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目次

「会社の給料のほかに、副業で月3万〜5万円ほど稼いでいるけれど、年末調整の書類に副業のことを書かなきゃいけないの?」

「副業の利益が20万円以下なら、会社にも税務署にも何も言わなくて本当にいいの?」

リモートワークの普及や物価高の影響で、サラリーマンの副業(Web制作、プログラミング、ライティング、動画編集、ポイ活、せどり等)はもう珍しいものではなくなりました。

それでも毎年11月になると、副業をしているサラリーマンの多くが「会社の年末調整用紙に副業のことを書くべきなのか」「書いたら副業禁止の会社に即バレしてしまうのでは」という不安に苛まれます。

先に要点だけお伝えしておくと、本業の会社の年末調整では、副業の収入や所得について一切書く必要はありません。本業の給与だけで年末調整を行ってしまって問題ないのです。

理由は単純で、会社の年末調整はあくまで「その会社があなたに支払った給与だけを対象に税金を精算する手続き」だからです。副業の税金は、会社の年末調整ではなく、年明け2月〜3月の確定申告で精算するのが税法上の正規のルールになっています。

さらに、いわゆる「副業20万円ルール」には、知らずに放置すると申告漏れになりかねない住民税の落とし穴が存在します。この記事では、副業サラリーマンの年末調整の正しい書き方から、20万円ルールの実際の中身、会社に副業を漏らさないための対策、確定申告の必要性の見極めまで、順番に整理しました。


1. 結論:本業の会社の年末調整には「副業のことを一切書かなくてよい」

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年末調整の法律上の取り扱いルール

所得税法上、会社の年末調整は「自社が従業員に支払った給与」のみを対象として実施されます。

【副業サラリーマンの年末調整ルール】

① 年末調整の書類本業の給与のみを記入(副業は書かない)
副業の収入や所得を会社の書類に書く必要は
法律上ありません。
② 会社の書類に書くとどうなる本業の人事部に副業の所得金額が伝わり、
就業規則違反などのトラブルに直結します。
③ 副業の税金はどう払う?年末調整の後に、自分自身で
年明け2月〜3月に確定申告を行って納税します。

本業の会社の年末調整用紙(扶養控除等申告書や基礎控除申告書)には、副業の売上や所得は一切混ぜず、本業の給料の見込み額だけを書いて提出するのが正解です。

【現場のリアル】扶養控除等申告書の「所得の見積額」欄で手が止まった夜

副業でクラウドソーシングのライティングを始めて半年ほどのある会社員の方から聞いた話です。年末調整の用紙を配られ、扶養控除等申告書の「本人の合計所得金額の見積額」という欄を目にした瞬間、ペンを持ったまま固まってしまったといいます。この欄に書くのは本業の給与所得だけなのか、それとも副業の雑所得も足すべきなのか、用紙のどこにも明確な説明がなく、不安になってスマホで検索を始めたそうです。深夜1時近くまで複数のブログを読み比べ、最終的に「この欄は本業の給与収入から給与所得控除を引いた金額だけを書けばよく、副業の所得は含めない」という理解にたどり着いて、ようやく用紙を書き終えたとのことでした。本人いわく、用紙のたった一行のために2時間近く検索することになったのが一番の誤算だったそうです。


2. 【誤解しやすいポイント】「副業20万円以下なら何もしなくていい」わけではない

副業初心者が最も多く引っかかるのが、ネット上で広まっている「副業20万円ルール」の解釈です。このルールが対象にしているのは、所得税の確定申告だけだという点を押さえておく必要があります。

法律の正確な定義:20万円以下で不要になるのは「所得税の確定申告」だけ

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁 タックスアンサー「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」では、次のように説明されています。
『給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円を超える人は確定申告が必要です』
また、根拠法令として所得税法第120条・第121条が挙げられています。
出典:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

裏を返せば、給与を1か所からもらっていて、副業などの所得(給与所得・退職所得を除く)の合計が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則として不要ということです。ただしこれは「所得税だけ」の特例であり、地方税である住民税には20万円ルールに相当する規定は存在しません。

【自治体の公式見解・地方税の一次情報】
東京都足立区「給与や所得が複数ある場合の住民税の徴収方法について」では、給与以外の所得がある場合の住民税の扱いが説明されています。
副業の所得区分が事業所得・雑所得・一時所得等であれば納税者の選択によって徴収方法を分けられる一方、副業が別会社でのアルバイトなど給与所得にあたる場合は、すべての給与を合算した住民税が主たる給与の勤務先から特別徴収(天引き)されると案内されています。
出典:足立区「給与や所得が複数ある場合の住民税の徴収方法について」 https://www.city.adachi.tokyo.jp/ze/tyoushuuu.html

つまり、所得税の確定申告が20万円以下で不要になったとしても、住民税については別途申告が必要になるケースがほとんどです。副業の利益が年間15万円だった場合、国の確定申告は不要でも、お住まいの市役所・区役所の税務課へ住民税の申告書を提出しなければ、地方税の申告漏れになってしまいます。

【副業の年間利益(所得)と申告義務の完全マトリクス】

副業の年間所得(売上 − 経費)国の確定申告(所得税)市区町村への申告(住民税)
年間 20万円 超申告必須自動的に住民税も申告完了
年間 20万円 以下(1円〜20万)申告不要(免除)申告必須(役所へ提出)

3. 副業の「収入(売上)」と「所得(利益)」の決定的な違い

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20万円の基準を計算する際、対象になるのは売上総額ではなく、そこから経費を引いた所得(もうけ)です。

副業の所得 = 副業の年間総収入(売上) − 副業にかかった必要経費
【副業所得の計算具体例(Webライター・ブログ)】
・副業の年間売上: 50万円
・副業の経費合計: 35万円(パソコン代、通信費、参考書籍、カフェ代等)

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-> 副業所得 = 50万 − 35万 = 15万円
-> 所得が20万円以下のため、所得税の確定申告は不要(住民税申告のみ必要)

パソコン購入費やインターネット代、仕事部屋の家賃按分などの必要経費をしっかりと計上し、正確な所得金額を把握しておくことが大切です。

【現場のリアル】経費を計上しすぎて「所得20万円」のラインを見誤った話

副業でせどりをしている方から聞いた話です。年間の売上は28万円ほどだったため、経費をどこまで引けるか分からないまま、購入した梱包資材や自宅で使っているスマホの通信費まで大まかに経費として差し引いた結果、「所得は18万円だから申告は要らない」と自己判断してしまったそうです。翌年、確定申告のやり方をきちんと調べ直したところ、生活と兼用しているスマホ通信費を全額経費にするのは本来認められず、按分(仕事で使う割合分だけ)で計上すべきだったことに気づき、実際の所得は20万円を超えていたことが分かりました。結果的に前年分の申告が漏れていたことになり、税務署に相談のうえ、翌年分とあわせて修正の手続きを取ることになったといいます。本人は「20万円ぎりぎりのラインにいるときほど、経費の計上根拠をきちんと残しておくべきだった」と振り返っていました。


4. 会社に副業が伝わりにくくなる「確定申告の普通徴収」という選択肢

副業が会社に伝わる最大の原因は、副業分の住民税が本業の給料から天引きされ、天引き額の通知が会社の経理に届くことです。これは特別徴収と呼ばれる徴収方法によって起こります。

副業分だけ「自分で納付」に切り替える

年明けに確定申告書を作成する際、第二表にある住民税の徴収方法の選択欄で、「自分で納付(普通徴収)」を選ぶことで、副業分の住民税の納付書を自宅に届けてもらうことができます。

### 確定申告書(第2表)の最重要チェック欄
- [ 給与・公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法の選択 ]
- [ ]特別徴収(給料から天引き -> 会社の経理を通じて金額が伝わる)
- [v]自分で納付(普通徴収 -> 自宅に納付書が届き、会社を経由しない)

ただし、この方法が使えるのは副業の所得区分が事業所得・雑所得・一時所得等の場合に限られます。副業が別の会社でのアルバイトなど給与所得にあたる場合は、前述の足立区の案内にもあるとおり、すべての給与収入が合算されたうえで主たる給与の勤務先から一括で特別徴収されるため、住民税だけを分けて自分で納めることはできません。また自治体によっては、確定申告書で普通徴収を選んでいても運用上のミスで特別徴収として処理されてしまうこともあるため、絶対に会社へ伝わらないと言い切れるものではない点は理解しておく必要があります。

【現場のリアル】チェック欄を書き忘れて、5月に経理から呼び出された話

副業でオンライン講座の講師をしている方の話です。確定申告書を作成する際、住民税の徴収方法の欄があることをそもそも知らず、空欄のまま提出してしまいました。何も選ばなかった場合は特別徴収として扱われる自治体が多く、この方の場合も結局、副業分を含めた住民税額が本業の給与から天引きされる形になりました。翌年5月、会社の経理担当者から「住民税の金額が去年よりだいぶ増えているので、確認のため一度話を聞かせてください」と声をかけられ、副業をしていることを自分から説明せざるを得なくなったそうです。幸い勤務先は副業を明確には禁止していなかったため大きな問題にはなりませんでしたが、本人は「あの一箇所にチェックを入れ忘れただけで、伝えるタイミングを自分で選べなくなった」と話していました。確定申告書を提出する前に、第二表の住民税欄を必ず見直す習慣をつけておくと、こうした行き違いを避けられます。


5. よくある質問(Q&A)

【副業サラリーマンの年末調整】副業収入は年末調整で会社に申告する?20万円以下なら会社に言わなくていい?の完了・申告イメージイラスト

Q1. 副業先で源泉徴収(税金天引き)されています。確定申告した方が得ですか?

確定申告をすれば、天引きされていた税金が戻ってくる(還付される)可能性があります。クラウドソーシングや原稿料などで10.21パーセントの所得税があらかじめ引かれている場合、確定申告を行うことで払いすぎていた税金が銀行口座へ還付されるケースは珍しくありません。所得が20万円以下で確定申告自体は不要な場合でも、還付を受けたいのであればあえて申告することは可能です。ただしその場合は、20万円以下の所得もまとめて申告する必要がある点に注意してください。

Q2. ポイ活やメルカリの不用品売却も副業20万円の計算に含まれますか?

自分の不用品を売った売上(生活用動産の譲渡)は非課税のため、原則として含めません。ただし、転売目的で仕入れたせどり商品の売却益や、友達紹介などで得た高額なポイント収入は雑所得としてカウントされます。何を売ったお金なのかによって扱いが変わるため、フリマアプリの売上をすべて一律に「非課税」と考えてしまうのは危険です。


6. 【ケーススタディ】副業収入別の年間申告手続き早見表

副業の年間所得(売上 − 経費)の金額に応じた、サラリーマンが取るべきアクションの一覧です。

副業の年間純所得所得税(税務署)への確定申告住民税(市区町村役場)への申告会社の年末調整
0円(売上なし・赤字)不要(事業所得の損益通算をする場合は申告)不要通常通り本業のみ申告
1円〜20万円以下不要(20万円特例で免除)申告必須(役所窓口・郵送)通常通り本業のみ申告
20万1円〜100万円申告必須(スマホe-Tax可)自動的に連動(個別申告不要)通常通り本業のみ申告
100万円超申告必須(スマホe-Tax可)自動的に連動(個別申告不要)通常通り本業のみ申告

まとめ:副業は年末調整に書かず、確定申告と住民税の申告で整理する

年末調整と確定申告の役割分担を正しく理解しておけば、副業をしていても慌てる必要はありません。

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