育休復帰した年の年末調整、給付金非課税と還付・翌年住民税

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目次

「今年の春に育休から復帰したけれど、年末調整の書類には育休手当をいくら書けばいいのか分からない」

「復職してからの数か月分しか給料をもらっていないのに、年末調整なんて意味があるのか」

産前産後休業と育児休業を終えて職場に戻った年の11月、会社から年末調整の書類を渡されて手が止まる人は毎年少なくありません。育児休業給付金や出産手当金は、雇用保険法と健康保険法という別々の法律で、それぞれ税金を課してはいけないと明記された非課税所得です。そのため年末調整の書類には1円も書く必要がなく、復職後に会社から支払われた給与だけをもとに、通常どおりの年末調整を受けることになります。

この記事では、育休中の手当が非課税になる法的根拠、復職初年度に税金が大きく戻ってくる仕組み、配偶者控除・配偶者特別控除の使える範囲、復職2年目の6月に住民税が上がって手取りが減る理由、そして将来の年金額を減らさないための年金事務所への届け出まで、国税庁・厚生労働省・総務省・日本年金機構の公式情報にもとづいて整理しました。


1. 育休から復帰した年も、年末調整は通常どおり受けられる

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産前産後休業・育児休業を経て年内に復職した人は、休職期間の長さにかかわらず、会社に在籍している限り年末調整の対象になります。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」には、12月に行う年末調整の対象者について次のように明記されています。
『会社などに1年を通じて勤務している人や、年の中途で就職し年末まで勤務している人』
出典:国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2665.htm

育休中は給与の支払いが止まっていても、雇用契約自体は継続しているため「1年を通じて勤務している人」として扱われます。年末調整の対象から外れるのは、原則として年の途中で退職した人です。産休・育休で休んでいた人がこれに該当することは基本的にありません。

1-1. 年末調整で書くのは「復職後に会社から支払われた給与」だけ

年末調整の申告書に記入するのは、育休中の手当を除いた、その年に会社から実際に支払われた給与と賞与の金額だけです。

会社から配られる扶養控除等申告書や基礎控除申告書には「給与所得者の総収入」や「本年中の収入金額」を書く欄がありますが、ここに書くのはあくまで会社からの給与収入です。育児休業給付金や出産手当金は、次章で説明する通り法律上そもそも課税対象にならない所得のため、収入欄に加算する必要はありません。会社の給与システム側でも、育休手当は「収入」としてではなく別枠の給付金として管理されているのが一般的です。

#### 【現場のリアル】育休手当を年収欄に書きそうになって総務に確認した話

4月に育休から復職したばかりのある方の話です。11月に配られた年末調整の申告書を前に、収入欄に育休中にもらっていた育児休業給付金の総額を足して記入しようとしたところ、ふと「これは本当に収入として申告していいものなのか」と手が止まったといいます。ネットで調べても「非課税」という言葉は出てくるものの、実際に申告書のどの欄にどう反映させればいいのかが分からず、結局総務に直接電話をかけて確認したそうです。担当者からは「育休手当は税金がかからない扱いなので、申告書には一切書かなくて大丈夫です。書くのは復職してからのお給料だけですよ」とあっさり説明され、拍子抜けするほど単純な話だったと振り返っていました。育休手当をどう申告すればいいか分からず何時間も検索してしまったという声は、復職1年目の年末調整では珍しくありません。


2. 育児休業給付金・出産手当金が非課税になる法的根拠

育児休業給付金は雇用保険法、出産手当金は健康保険法で、それぞれ「租税その他の公課を課すことができない」と明記されており、法律上の裏付けを持つ非課税所得です。

2-1. 育児休業給付金の非課税根拠、雇用保険法第12条の準用

育児休業給付金は雇用保険法第61条の6第2項により、失業等給付の公課禁止を定めた第12条が準用され、税金や社会保険料の計算対象から外れます。

【雇用保険法の公式見解・1次情報】
雇用保険法第61条の6第2項は次のように定めています。
『第10条の3から第12条までの規定は、育児休業給付について準用する』
そして準用される第12条(公課の禁止)には次のように定められています。
『租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない』
出典:雇用保険法第12条・第61条の6(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/349AC0000000116

育児休業給付は、2020年の法改正で失業等給付から独立した給付体系になりましたが、この準用規定によって公課禁止のルールはそのまま引き継がれています。つまり育児休業給付金には所得税も住民税も一切かからず、社会保険料の算定基礎にもなりません。

2-2. 出産手当金の非課税根拠、健康保険法第62条

出産手当金は健康保険法第62条により、保険給付として受け取った金品には税金その他の公課を課すことができないと定められています。

【健康保険法の公式見解・1次情報】
健康保険法第62条(公課の禁止)には次のように定められています。
『租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金品を標準として、課することができない』
出典:健康保険法第62条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/211AC0000000070

出産手当金は産休中に協会けんぽや健康保険組合から支給される保険給付そのものなので、この条文が直接適用され、育児休業給付金のような準用の手続きを経ることなく非課税所得として扱われます。

2-3. 収入の種類ごとの課税区分

復職した年に受け取る可能性のある収入のうち、課税されるのは復職後に会社から支払われた給与と賞与だけです。

収入の種類支給元課税区分年末調整への反映
出産手当金協会けんぽ・健康保険組合非課税(健康保険法第62条)記入不要
育児休業給付金ハローワーク(雇用保険)非課税(雇用保険法第12条を準用)記入不要
出産育児一時金協会けんぽ・健康保険組合非課税記入不要
復職後の給与勤務先の会社課税対象源泉徴収票の支払金額として反映
復職後の賞与勤務先の会社課税対象源泉徴収票の支払金額として反映

#### 【現場のリアル】源泉徴収票に育休手当の記載が一切なくて焦った話

1月から3月まで育休を延長し、4月に復職したある方の話です。年末に会社から源泉徴収票を受け取ったとき、支払金額の欄に書かれている数字が想像していたよりずっと小さく、「育休手当の分がまるごと抜け落ちているのではないか」と不安になり、給与担当に問い合わせたことがあったそうです。担当者からは「育休手当は非課税なので、そもそも源泉徴収票に載る性質のものではありません。載っているのは4月以降にお支払いした給与だけで、これで正しい数字です」と説明を受け、ようやく納得できたといいます。本人は「非課税という言葉は知っていたつもりだったが、実際に自分の源泉徴収票の数字が小さいのを見ると、それはそれで不安になるものだと初めて分かった」と話していました。


3. 復職初年度は「1年分の所得控除」が効いて還付額が大きくなりやすい

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復職初年度は、課税対象になる給与が数か月分しかないのに基礎控除や社会保険料控除は満額適用されるため、毎月天引きされていた所得税の多くが年末調整で戻ってくることがあります。

3-1. 基礎控除は令和7年分から所得に応じて58万円から95万円に引き上げ

令和7年度税制改正により、基礎控除の金額は一律48万円ではなく、合計所得金額に応じて58万円から95万円の範囲で段階的に決まる仕組みに変わりました。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「No.1199 基礎控除」では、令和7年分・令和8年分の基礎控除額について、合計所得金額の区分ごとに次のように定められています。
出典:国税庁「No.1199 基礎控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1199.htm 、国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」 https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025kiso/index.htm
合計所得金額基礎控除額(令和7年分・令和8年分)
132万円以下95万円
132万円超336万円以下88万円
336万円超489万円以下68万円
489万円超655万円以下63万円
655万円超2,350万円以下58万円

復職初年度は働いた月数が少ないぶん合計所得金額が低くなりやすく、表の上の方の区分に入って基礎控除額が大きくなる人が多い、という点も還付額が膨らむ一因になります。以前の「基礎控除は一律48万円」という情報のまま計算すると、実際の還付額を過小に見積もってしまうため注意してください。

3-2. 復職ママのシミュレーション、4月復職・月給25万円のケース

4月に育休から復職し月給25万円で9か月間働いた場合、年末調整で1年分の基礎控除と社会保険料控除が丸ごと適用され、月々天引きされていた所得税の多くが12月の給料でまとめて戻ってきます。

給与収入225万円(月給25万円×9か月、賞与なしと仮定)のケースで、控除額を積み上げると次のようになります。金額はあくまで試算の目安で、実際の社会保険料率や扶養状況、生命保険料控除の有無によって変動します。

項目金額の目安根拠
給与収入(4月〜12月)225万円育休手当は非課税のため含めない
給与所得控除約75.5万円収入×30%+8万円(国税庁No.1410)
給与所得の金額約149.5万円収入−給与所得控除
基礎控除88万円合計所得132万円超336万円以下の区分
社会保険料控除(目安)約34万円給与の概ね15%が天引きされた場合の目安
課税所得(目安)約23.5万円給与所得−各種控除
本来の年間所得税額(目安)約1.2万円課税所得×5%(国税庁No.2260)
【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「No.1410 給与所得控除」では、給与収入190万円超360万円以下の場合の給与所得控除額について次のように定められています。
『収入金額×30%+80,000円』
また国税庁「No.2260 所得税の税率」では、課税される所得金額が195万円以下の場合の税率について次のように定められています。
『税率5%、控除額0円』
出典:国税庁「No.1410 給与所得控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm 、国税庁「No.2260 所得税の税率」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

毎月の給料からは、この本来の年間所得税額よりも多めの金額が源泉徴収税額表に沿って天引きされているのが通常です。復職後9か月間で天引きされた所得税の合計が本来の年間所得税額を上回っていれば、その差額が12月の給料で一括還付されます。復職の時期が遅く、働いた期間の給与総額がもともと低い年ほど、天引きされていた税額と本来の税額との差が大きくなりやすいため、還付額も大きくなる傾向があります。

#### 【現場のリアル】12月の給料明細で還付額を二度見した話

6月に育休から復職し、時短勤務で働いていたある方の話です。復職してからの半年間、毎月の給料明細を見るたびに所得税が数千円ずつ引かれているのを見て「これは仕方のない出費だ」と思っていたそうです。ところが12月の給料明細を開いたとき、いつもの手取り額に見慣れない金額が上乗せされていて、最初は経理のミスかと思い二度見したといいます。よく見ると「年末調整還付」という項目があり、半年分の給料から引かれていた所得税のほとんどがまとめて戻ってきていたそうです。本人は「毎月少しずつ引かれる税金は当たり前だと思っていたが、まさかここまでまとまって返ってくるとは知らなかった。復職した年だけの特別なボーナスのようなものだと後から知って驚いた」と話していました。


4. 配偶者控除・配偶者特別控除、復職初年度でも使える範囲

復職した年の給与収入が201万円未満に収まる見込みであれば、配偶者の年末調整または確定申告で配偶者控除か配偶者特別控除を受けられる可能性があります。

4-1. 配偶者控除と配偶者特別控除の境目

配偶者の合計所得金額が58万円以下(給与収入のみなら123万円以下)なら配偶者控除、58万円超133万円以下(給与収入のみならおおむね201万円未満)なら配偶者特別控除の対象になります。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「No.1191 配偶者控除」では、控除対象配偶者の要件の一つとして次のように定められています。
『年間の合計所得金額が58万円以下(給与のみの場合は給与収入が123万円以下)であること』
また国税庁「No.1195 配偶者特別控除」では、配偶者特別控除について次のように説明されています。
『配偶者に58万円を超える所得があるため配偶者控除の適用が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて、一定の金額の所得控除が受けられる場合があります』
出典:国税庁「No.1191 配偶者控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1191.htm 、国税庁「No.1195 配偶者特別控除」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1195.htm
配偶者の合計所得金額給与収入のみの場合の目安適用される控除控除額(納税者本人の所得900万円以下)
58万円以下123万円以下配偶者控除38万円
58万円超95万円以下123万円超160万円以下配偶者特別控除38万円
95万円超100万円以下160万円超165万円以下配偶者特別控除36万円
100万円超133万円以下165万円超201万円未満配偶者特別控除31万円〜3万円(段階的に逓減)
133万円超201万円以上対象外0円

判定に使う配偶者の所得は、育休手当を除いた「復職後の給与収入」だけです。育児休業給付金や出産手当金は非課税所得のため、この判定にはそもそも含まれません。復職した年の給与収入が低いほど、配偶者控除や配偶者特別控除の対象になりやすいという構造です。夫(または妻)の会社の年末調整で配偶者控除等申告書を提出する際は、育休手当を除いた復職後の給与見込額を記入してください。


5. 復職2年目の6月から住民税が上がる、前年所得課税という仕組み

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住民税は前年1年間の所得をもとに計算される後払いの税金のため、育休中で所得がゼロだった復職1年目は住民税がほぼかからず、復職2年目の6月からは復職1年目の所得に応じた通常の住民税が始まります。

【総務省の公式見解・1次情報】
総務省「地方税制度 個人住民税」では、所得割の税率について次のように説明されています。
『所得割の税率は、所得に対して10%(道府県民税が4%、市町村民税が6%)とされており、前年の1月1日から12月31日までの所得で算定されます』
出典:総務省「地方税制度 個人住民税」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_06.html

5-1. 復職1年目と2年目の住民税、何が違うのか

復職1年目の住民税は前年(育休中)の所得をもとに計算されるため非課税か低額で済みますが、2年目の住民税は復職1年目に稼いだ給与を基礎に計算されるため、金額が大きく跳ね上がって見えます。

時期住民税の計算基礎になる所得住民税の水準
復職1年目(6月〜翌年5月)前年(育休中)の所得。ほぼ非課税ほぼ0円〜数千円(均等割のみの場合あり)
復職2年目(6月〜翌年5月)復職1年目の給与所得(数か月分〜通年分)復職1年目の所得に応じた通常額
復職3年目以降(6月〜翌年5月)前年(フル勤務)の所得通年勤務の所得に応じた本来の水準

育休中は所得税・住民税ともに非課税でも、復職2年目になると急に住民税が天引きされ始めるため「昇給していないのに手取りが減った」と感じやすいタイミングです。仕組みを知らずに家計を組んでいると、復職2年目の6月に想定外の目減りに直面することになります。

#### 【現場のリアル】復職2年目の6月、手取りが減って青ざめた話

前年の4月に育休から復職し、1年間フルタイムで働いたあるお母さんの話です。復職1年目は住民税の天引きがほとんどなく、そのままの手取り感覚で家計を回していたところ、復職2年目の6月の給与明細を見て手取りが1万円以上減っていることに気づいたそうです。給料が下がったわけでもないのになぜ、と経理に問い合わせたところ、「去年1年間、時短ではありましたがしっかり働かれた分の所得に対して、今年6月から住民税がかかり始めています。育休中の1年目は前年の所得がほぼゼロだったので住民税もほぼゼロでしたが、今年からは本来の金額に戻っただけです」と説明を受けたといいます。本人は「育休中の非課税ばかり意識していて、まさか2年後にその反動が来るとは想像していなかった」と振り返っていました。復職1年目の家計の余裕をそのまま2年目も引きずらないよう、6月からの住民税増加をあらかじめ見込んでおくことが欠かせません。


6. 将来の年金を減らさない「養育期間標準報酬月額特例」

時短勤務などで復職後の給料が下がった場合、年金事務所へ届け出をすれば、子が3歳になるまでの期間、将来の年金額の計算では休業前の高い標準報酬月額を使ってもらえます。

【日本年金機構の公式見解・1次情報】
日本年金機構「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」では、次のように説明されています。
3歳未満の子を養育する被保険者または被保険者であった方について、養育期間中の標準報酬月額が低下した場合、養育期間中の報酬の低下が将来の年金額に影響しないよう、より高い従前の標準報酬月額に基づいて年金額が計算されます。
出典:日本年金機構「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」 https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/menjo/20150120.html

6-1. 申請先と必要書類

申出書は勤務先を管轄する事務センターまたは年金事務所へ提出し、戸籍謄本や住民票の写しなど親子関係を証明する書類を添付します。

項目内容
正式名称厚生年金保険 養育期間標準報酬月額特例申出書
対象者3歳未満の子を養育する厚生年金保険の被保険者
効果標準報酬月額が下がった期間も、将来の年金額は休業前の高い標準報酬月額で計算
提出先勤務先を管轄する事務センターまたは年金事務所
必要書類戸籍謄本(抄本)または戸籍記載事項証明書、住民票の写し、マイナンバー確認書類など

この特例は年金保険料そのものを安くする制度ではなく、あくまで将来受け取る年金額の計算に使う標準報酬月額を、実際より高いものとみなしてもらう制度です。時短勤務で給料が下がった状態のまま何も手続きをしないと、その期間はそのまま低い標準報酬月額で年金額が計算されてしまうため、復職して給料が下がったタイミングで届け出ておく価値があります。多くの会社では人事・総務が案内してくれますが、案内がない場合は自分から「養育期間標準報酬月額特例の申出をしたいのですが」と申し出て問題ありません。


7. 復職初年度のふるさと納税、上限額が下がる点に注意

復職初年度は給与年収が前年より低くなるため、自己負担2,000円で寄付できるふるさと納税の上限額も、前年より小さくなります。

【総務省の公式見解・1次情報】
総務省のふるさと納税ポータルサイトでは、控除額の対象となるふるさと納税額について、収入金額ごとに上限が設定されている旨が説明されています。
出典:総務省「ふるさと納税のしくみ、税金の控除について」 https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html

ふるさと納税の上限額は、その年の所得と住民税の額をもとに決まる仕組みです。復職初年度は育休期間の分だけ給与収入が下がっているため、前年(フル勤務だった年、またはフル勤務前の年)の年収を基準にした早見表をそのまま使って寄付すると、上限を超えてしまい自己負担が2,000円では済まなくなることがあります。寄付する前に、復職後の見込み給与収入をもとにした上限額を、ふるさと納税サイトのシミュレーターなどで改めて確認しておくことをおすすめします。


8. よくある質問(Q&A)

復職年の年末調整でよく寄せられる疑問は、育休手当の書き方、時短勤務中の扶養控除、確定申告の要否、住民税の相談先の4点に集約されます。

8-1. 復職年の年末調整でつまずきやすい4つの質問

育休手当は年末調整の書類に一切書かず、時短勤務でも扶養控除の判定は変わらず、還付を受けるだけなら確定申告は不要で、住民税の支払いが厳しければ役所の税務課に早めに相談するのが要点です。

No.質問の要旨結論(詳細は各項目を参照)
Q1育児休業給付金の決定通知書は提出が必要か不要。非課税所得のため添付書類も一切不要
Q2時短勤務で給料が減っても扶養控除は変わるか自分自身の扶養控除には影響しない。配偶者側の判定は収入額次第
Q3還付を受けるために確定申告は必要か年末調整だけで完結する会社員なら基本的に不要
Q4復職2年目の住民税が払えない場合はどうすればよいか滞納前に市区町村の税務課へ相談すれば分割・猶予に応じてもらえることがある

#### Q1. 育児休業給付金の支給決定通知書を年末調整の書類と一緒に提出する必要はありますか。

提出する必要はありません。育児休業給付金は雇用保険法第12条の準用により非課税所得と定められているため、年末調整の申告書にも金額を記入せず、決定通知書などの添付書類も不要です。

#### Q2. 時短勤務で給料が下がりましたが、自分自身の扶養控除に影響はありますか。

自分自身が受けられる扶養控除には影響しません。扶養控除は納税者本人が扶養している親族の所得によって判定されるもので、納税者本人の給料が下がったこと自体は扶養控除の適用可否とは別の話です。ただし配偶者側から見た配偶者控除・配偶者特別控除の判定は、前述の通り復職後の給与収入額によって変わります。

#### Q3. 復職初年度に税金の還付を受けるために、確定申告をする必要はありますか。

会社の年末調整だけで所得税の精算が完結する会社員であれば、原則として確定申告は不要です。年末調整の中で1年分の基礎控除・社会保険料控除・生命保険料控除などが適用され、天引きされすぎていた所得税は12月の給料で自動的に還付されます。医療費控除やふるさと納税のワンストップ特例の対象外になった寄付など、年末調整で処理できない控除がある場合のみ、別途確定申告が必要になります。

#### Q4. 復職2年目に住民税が急に増えて、正直支払いが厳しいです。どうすればいいですか。

滞納したまま放置せず、早めに住所地の市区町村役場の税務課・納税課へ相談してください。事情によっては、納期限内での分割納付や、年度をまたぐ徴収猶予に応じてもらえることがあります。督促状が届いてから慌てるより、支払いが難しいと分かった時点で先に相談したほうが、選べる対応の幅が広くなります。


まとめ、非課税所得と1年分の控除を正しく理解しておけば復職年は損をしない

育児休業給付金は雇用保険法、出産手当金は健康保険法で、それぞれ公課を課すことができないと明記された非課税所得です。復職した年の年末調整では、この非課税所得を一切記入せず、復職後に会社から支払われた給与だけを申告すれば足ります。働いた期間が数か月でも基礎控除や社会保険料控除は1年分まるごと適用されるため、天引きされていた所得税の多くが12月の給料で戻ってくることも珍しくありません。一方で、住民税は前年所得課税という仕組み上、復職2年目の6月から本来の税額がかかり始め、手取りが目減りしたように感じるタイミングが来ます。時短勤務で給料が下がった場合は、年金事務所への養育期間標準報酬月額特例の届け出も忘れずに済ませておきたいところです。

復職した年の年末調整は、非課税のルールと控除の仕組みさえ押さえておけば、慌てて損をすることはありません。年末調整の書類作成をスマホで手早く終わらせたい方は、無料で使える「書けた年末調整」もあわせてご利用ください。

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