亡くなった人の「準確定申告(4ヶ月以内)」と遺族年金の非課税

亡くなった人の「準確定申告(4ヶ月以内)」と遺族年金の非課税のイメージイラスト
目次

「年の途中で父親、または夫が亡くなったけれど、今年の税金や年末調整はどうすればいいのか」

「遺族が受け取る遺族年金や死亡一時金に税金はかかるのか」

大切な家族が亡くなった直後は、葬儀の手配、役所への死亡届、香典返し、遺品整理と、やることが次から次へと押し寄せてきます。その慌ただしさの中で後回しにされがちなのが、亡くなった人の税金の後始末、いわゆる「準確定申告」です。

会社に勤めていた人が亡くなった場合は、会社側で死亡退職時の年末調整が行われます。一方、年金受給者や自営業だった人が亡くなった場合は、相続人が「死亡を知った日の翌日から4ヶ月以内」に税務署へ準確定申告を提出しなければなりません。期限を過ぎると無申告加算税や延滞税がかかる可能性があるため、悲しみの中にあっても、この期限だけは意識しておく必要があります。

さらに、残された遺族が国から受給する遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)や死亡一時金は、国民年金法と厚生年金保険法の明文規定により、所得税・住民税・相続税のいずれも課されません。この記事では、国税庁の公式タックスアンサーと、国民年金法・厚生年金保険法・相続税法の条文にもとづいて、準確定申告の期限と手順、死亡年末調整、遺族年金と死亡一時金の非課税ルール、未支給年金や死亡保険金の税務上の扱いまでを整理しました。


1. ひと目でわかる、亡くなった人の税務手続き「2大ルート」

亡くなった人の「準確定申告(4ヶ月以内)」と遺族年金の非課税の制度・手続きイメージイラスト

亡くなった方の生前の働き方によって、必要な手続きが分かれます。

亡くなった人の働き方必要な手続き
① 会社員・公務員だった人(死亡退職)会社が「死亡年末調整」を実施。会社がその年の給与を精算し、払いすぎていた所得税を遺族へ返金
② 年金受給者・個人事業主相続人が税務署へ「準確定申告」を提出。死亡を知った日の翌日から4ヶ月以内

どちらのルートに該当するかで、必要な書類も相談先もまったく違います。まずは亡くなった方が最後まで給与所得者だったのか、年金や事業収入で生計を立てていたのかを整理するところから始めることになります。


2. 準確定申告、「死亡を知った日の翌日から4ヶ月以内」の壁

被相続人、つまり亡くなった人がその年の1月1日から死亡日までに得た所得について、相続人全員で申告するのが準確定申告です。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」では、申告期限について次のように説明されています。
『年の中途で死亡した人の場合は、相続人が、1月1日から死亡した日までに確定した所得金額及び税額を計算して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。』
提出先については、『被相続人の死亡当時の納税地の税務署長に提出します』と案内されています。
根拠法令は所得税法16条、85条、124条、125条ほか。
出典:国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm

「相続の開始があったことを知った日」は、実務上ほぼ死亡日と同じ日になるケースが大半です。つまり、亡くなった当日または数日以内から数えて4ヶ月、というのが実感に近い期限の感覚になります。四十九日の法要や香典返しの準備で頭がいっぱいになっているうちに、あっという間に日数が過ぎていく期間でもあります。

相続人が複数いる場合の提出方法

相続人が複数いる場合の申告方法についても、国税庁は次のように案内しています。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「No.2022」では、相続人が複数の場合の提出方法について次のように説明されています。
『各相続人等が連署により準確定申告書を提出することになります』
なお、他の相続人の氏名を付記して各人がそれぞれ別々に提出することもできるとされています。
出典:国税庁「No.2022 納税者が死亡したときの確定申告(準確定申告)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2022.htm

つまり原則は「相続人全員の連名」で1通の申告書を出す形ですが、相続人同士の関係が疎遠だったり、遠方に住んでいたりして全員の署名を一度に集めるのが難しい場合は、各相続人が別々に申告書を提出し、その申告書に他の相続人の氏名を書き添えるという方法も認められています。誰か1人が代表してすべてを進めなければならない、という思い込みは持たなくて大丈夫です。

準確定申告の必要書類、どこを見ればいいか

準確定申告書を作成する際に手元に集めておくべき書類と、その中で実際に確認する箇所です。

書類確認するポイント
① 源泉徴収票/年金の源泉徴収票(会社・年金機構)「支払金額」欄と「源泉徴収税額」欄を確認。亡くなった年の1月から死亡月分までの金額
② 医療費の領収書・明細死亡日までに本人が支払った分のみが対象。死亡後に相続人が払った分は含めない
③ 保険料控除証明書生命保険・地震保険・社会保険料の証明書一式
④ 準確定申告書の付表相続人全員の氏名・住所・続柄・法定相続分を記入する専用様式(税務署窓口で入手可)
⑤ 相続人のマイナンバー確認書類本人確認書類とセットで提出

医療費控除を使う場合の注意点は、あくまで「亡くなった本人が、死亡日までに支払った医療費」だけが対象になることです。亡くなった後に相続人が支払った入院費や葬儀関連の費用は、この準確定申告の医療費控除には含められません。領収書の日付が死亡日の前か後かを、1枚ずつ確認していく地味な作業になります。

生前に支払った高額な医療費や介護費用があれば、準確定申告で医療費控除を適用することで、亡くなった人が生前に給与や年金から天引きされていた所得税を、遺族の口座へ現金で還付させることができます。

#### 【現場のリアル】税務署の相談窓口で「付表」の書き方を教わった話

父親が年金受給者として亡くなり、初めて準確定申告に臨んだという方の話です。四十九日を終えたあたりでようやく落ち着き、国税庁のサイトを見ながら申告書を作ろうとしたものの、「準確定申告書の付表」という聞き慣れない様式にたどり着いた時点で手が止まってしまったといいます。相続人は自分と妹の2人だけだったにもかかわらず、法定相続分の欄や続柄の書き方に自信が持てず、結局は最寄りの税務署に電話で予約を入れて窓口相談に行くことにしたそうです。窓口では職員が「お父様の源泉徴収票と、あなたと妹さんの本人確認書類だけ持ってきていただければ、その場で一緒に付表を埋められますよ」とあっさり案内してくれ、心配していたほど複雑な手続きではなかったといいます。本人は「4ヶ月という期限を聞いた時は身構えたが、実際は源泉徴収票さえ揃えてしまえば、窓口で相談しながら1時間程度で終わる作業だった」と振り返っていました。相続人同士で全員そろって税務署に行く必要はなく、代表者が持参した書類だけで手続きが進んだことも、意外だった点として挙げていました。


3. 会社員だった人は「死亡年末調整」で完結する

亡くなった人の「準確定申告(4ヶ月以内)」と遺族年金の非課税の計算・シミュレーションイメージイラスト

在職中に亡くなった会社員や公務員については、相続人が準確定申告をする代わりに、勤務先の会社が年の途中で年末調整を行います。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」では、年の中途で年末調整の対象となる人の一つとして、次のように説明されています。
『年の中途で行う年末調整の対象となる人は、次の5つのいずれかに当てはまる人です。(中略)死亡によって退職した人』
出典:国税庁「No.2665 年末調整の対象となる人」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2665.htm

つまり会社員が亡くなった場合、遺族が税務署に何かを申告するのではなく、勤務先の会社が本人に代わって年末調整の事務を行い、その年に払いすぎていた所得税があれば、精算後の源泉徴収票と一緒に還付分を遺族へ渡す、という流れになります。遺族側がやるべきことは、会社の総務や人事から連絡が来た際に、還付金の振込先口座や必要書類を用意することが中心になります。

ただし、会社員であっても副業で一定額以上の所得があった場合や、給与以外に多額の不動産所得・事業所得があった場合は、死亡年末調整だけでは精算しきれず、別途相続人による準確定申告が必要になることがあります。会社からもらう源泉徴収票の摘要欄や、勤務先の担当者への確認で、追加の申告が必要かどうかを聞いておくと安心です。

#### 【現場のリアル】会社の総務窓口で「まず何をすればいいか」を聞いた時の話

夫が在職中に急逝し、葬儀の翌週には夫の会社の総務担当者と電話でやり取りをすることになったという方の話です。何をどう聞けばいいのかも分からないまま、とりあえず「主人の給与関係の手続きはどうすればいいですか」とだけ尋ねたところ、総務担当者から「死亡退職の年末調整をこちらで進めますので、ご遺族側で特別な申告をしていただく必要は基本的にありません」と説明を受け、拍子抜けするほど気が抜けたといいます。それまで、亡くなった人の税金は遺族が全部自分で税務署に申告しなければならないものだと思い込んでいたため、「会社がやってくれる部分がこんなに大きいとは知らなかった」と話していました。数週間後、精算後の源泉徴収票と、払いすぎていた所得税分の還付案内が自宅に届き、実際に数万円が振り込まれたそうです。本人は「何も分からない状態で会社に連絡するのは気が引けたが、総務は毎年こうした手続きに慣れている様子で、聞けば普通に教えてもらえた」と振り返っていました。


4. 遺族年金・死亡一時金は「全額非課税」、条文で確認する

国民年金法および厚生年金保険法には、年金給付に対して税金を課すことを禁じる明文規定があります。老齢基礎年金・老齢厚生年金は例外的に課税対象になりますが、遺族年金や死亡一時金はこの例外に含まれていません。

【国民年金法の公式見解・1次情報】
国民年金法第25条(公課の禁止)は次のように定めています。
『租税その他の公課は、給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。ただし、老齢基礎年金及び付加年金については、この限りでない。』
出典:国民年金法第25条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000141
【厚生年金保険法の公式見解・1次情報】
厚生年金保険法第41条2項(公課の禁止)は次のように定めています。
『租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。ただし、老齢厚生年金については、この限りでない。』
出典:厚生年金保険法第41条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/329AC0000000115

条文の「ただし、老齢基礎年金及び付加年金については、この限りでない」「ただし、老齢厚生年金については、この限りでない」という但し書きが指しているのは、あくまで自分が働いた分の対価として受け取る老後の年金です。遺族基礎年金・遺族厚生年金・寡婦年金・死亡一時金は、この但し書きの対象に含まれていないため、原則どおり非課税として扱われます。

給付の種類支給内容所得税・住民税相続税
遺族基礎年金18歳未満の子どもがいる遺族に支給非課税非課税
遺族厚生年金会社員の配偶者が亡くなった際に生涯支給非課税非課税
寡婦年金夫を亡くした妻に60歳から65歳まで支給非課税非課税
死亡一時金掛け捨て防止として遺族に支給される一時金非課税非課税
【条文が意味すること】
遺族年金は、年間で200万円受け取っていても300万円受け取っていても、確定申告の必要は一切なく、税務上は年収0円として扱われる。これは国税庁の裁量ではなく、国民年金法25条・厚生年金保険法41条という法律そのものに明記された非課税規定にもとづく。

#### 【現場のリアル】年金事務所の窓口で非課税だと聞いて拍子抜けした話

夫を亡くし、遺族厚生年金の請求のために年金事務所を訪れたという方の話です。手続きの説明を受けている最中、ふと「これって毎年確定申告しないといけないんでしょうか」と質問したところ、窓口の職員から「遺族年金は非課税ですので、確定申告も源泉徴収も一切ありません」とだけ、あっさりした調子で返されたといいます。夫の生前は年末調整や住民税の話でそれなりに気を張っていたこともあり、「これだけの金額を毎月もらうのに、本当に税金が一円もかからないのか」と半信半疑だったそうですが、後日、国民年金法の条文をインターネットで検索して「租税その他の公課は課することができない」という一文を実際に読み、ようやく腑に落ちたと話していました。本人は「窓口で聞いたその場では正直信じきれなかったが、条文まで自分の目で確認して、初めて安心できた」と振り返っていました。


5. 未支給年金は遺族の「一時所得」として扱われる

亡くなった人の「準確定申告(4ヶ月以内)」と遺族年金の非課税の完了・申告イメージイラスト

亡くなった後に振り込まれる「最後の年金」、いわゆる未支給年金は、遺族年金とは税務上の扱いが異なります。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「質疑応答事例、未支給の国民年金に係る相続税の課税関係」では、未支給年金請求権の性質について次のように説明されています。
未支給年金を受給する権利は、相続または遺贈により被相続人に帰属すべき財産として認識されるものではなく、受給権者自身の固有の権利であるため、相続税の課税対象とはならないとされています。そのうえで、遺族が実際に支給を受けた未支給年金は、当該遺族の一時所得に該当するとされています。
出典:国税庁「未支給の国民年金に係る相続税の課税関係」 https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/sozoku/02/09.htm

未支給年金は、亡くなった人の遺産ではなく、請求した遺族自身が受け取る一時所得という扱いになります。相続税がかかるわけではありませんが、所得税・住民税の計算上は一時所得として合算されます。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「No.1490 一時所得」では、一時所得の計算方法について次のように説明されています。
一時所得の金額は、総収入金額から、その収入を得るために支出した金額を差し引き、そこから特別控除額(最高50万円)を差し引いて求めるとされています。
出典:国税庁「No.1490 一時所得」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1490.htm

未支給年金だけでその年の一時所得の合計額が50万円を超えなければ、実質的に税金はかかりません。年金額の1、2ヶ月分程度であれば50万円以内に収まることがほとんどですが、他に生命保険の満期金や懸賞金などの一時所得がある年は、合算して50万円を超えないか確認しておいたほうがよい場面です。

#### 【現場のリアル】未支給年金の申告漏れに気づかず、後から慌てた話

父親の遺族年金の手続きを終えたあと、数ヶ月してから「未支給年金」という名目で数十万円が自分の口座に振り込まれていることに気づいたという方の話です。最初は遺族年金の一部だと思い込み、特に何も申告せずに過ごしていたのですが、翌年の確定申告の時期に何気なく調べ物をしていて、未支給年金は遺族年金とは別枠の「一時所得」として扱われるという記述を見つけ、血の気が引いたといいます。慌てて過去の一時所得の有無を確認したところ、その年は他に一時所得がなく、未支給年金の金額も50万円の特別控除の範囲内に収まっていたため、結果的に申告義務はなかったことが分かり、胸を撫でおろしたそうです。本人は「遺族年金が非課税だと聞いていたので、未支給年金も同じものだと勝手に思い込んでいた、名前が似ているだけで税務上はまったく別の扱いだと知らなかった」と話していました。振込通知書に「未支給年金」と書かれていた場合は、遺族年金とは別に扱われる可能性があることを念頭に置き、金額と受け取った年の他の一時所得の有無を確認しておくと安心です。


6. 死亡保険金の非課税枠、「500万円×法定相続人数」の仕組み

亡くなった際に生命保険会社から遺族に支払われる死亡保険金は、相続税法上、一定額まで非課税となる枠が設けられています。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」では、非課税限度額について次のように説明されています。
非課税限度額は『500万円 × 法定相続人の数』で計算されるとされ、根拠法令として相続税法3条、12条、15条が示されています。
出典:国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4114.htm

この非課税枠が適用されるのは、保険料を負担していたのが亡くなった本人で、受取人が相続人である場合です。相続人以外の人、たとえば内縁のパートナーや相続放棄をした人が受け取った死亡保険金には、この非課税枠は使えません。

【死亡保険金の非課税枠の計算例】
法定相続人が「配偶者+子ども2人」の合計3人の場合、非課税限度額=500万円×3人=1,500万円。
死亡保険金の合計が1,500万円以下であれば、相続税は一切かからない。1,500万円を超えた分だけが、他の相続財産と合算して相続税の課税対象になる。

なお、法定相続人の数は、実際に相続を放棄した人がいたとしても、放棄がなかったものとして数える点に注意が必要です。所得税・住民税については、死亡保険金は相続税の対象であり、これらの税目はもともとかかりません。


7. 亡くなった親の医療費を、子どもの確定申告に入れる方法

もし亡くなった親自身の所得が少なく、準確定申告をしても税金が戻らない場合は、生計を一にしていた子ども自身の確定申告で、親のために生前支払った医療費をまとめて医療費控除にする方法があります。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」では、医療費控除の対象となる要件の一つとして次のように説明されています。
『自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費であること』
出典:国税庁「No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1120.htm

条文上のポイントは「生計を一にする」という部分です。同居していなくても、生活費や療養費を仕送りするなどして家計を実質的に一つにしていれば対象になります。実家の親の医療費を子どもが立て替えて支払っていたようなケースでは、この規定にあてはめて確定申告することで、税率の高い子ども側の所得から直接控除できるため、世帯全体で受け取れる還付金を増やせる可能性があります。


8. よくある質問

Q1. 亡くなった親の年金が年200万円でした。準確定申告は必要ですか。

公的年金等の収入金額が400万円以下で、かつ年金以外の所得が20万円以下であれば、確定申告不要制度の対象になります。

【国税庁の公式見解・1次情報】
国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」では、確定申告不要制度について次のように説明されています。
『公的年金等に係る雑所得を有する居住者で、その年中の公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下であり、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には、確定申告の必要はありません。』
出典:国税庁「No.1600 公的年金等の課税関係」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1600.htm

この基準は本来、生存している納税者が毎年行う確定申告に関するものですが、実務上は亡くなった年の準確定申告についても同様の考え方で申告不要と判断されるケースが多くあります。ただし、これはあくまで「申告義務がない」というだけで、生前の医療費控除等で税金が戻る場合は、任意で準確定申告をすれば還付金を受け取れます。判断に迷う場合は、税務署か税理士に相談したほうが確実です。

Q2. 死亡後に振り込まれた「最後の年金」はどうなりますか。

前述のとおり、未支給年金は受け取った遺族自身の一時所得として扱われます。年間の一時所得の合計が特別控除枠の50万円以内であれば、実質的に税金はかかりません。遺族年金とは別枠での判定になる点を忘れないようにしてください。

Q3. 準確定申告の期限に間に合わなかったらどうなりますか。

期限を過ぎて納付すべき税額があった場合、無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。ただし、還付を受けるための準確定申告、つまり払いすぎていた税金を取り戻すだけの申告であれば、法律上の厳格な期限のペナルティというより、実務上できるだけ早めに済ませることが望ましいという位置づけになります。判断が難しい場合は、早い段階で税務署に相談するのが安全です。


まとめ、期限を意識しつつ、非課税の部分は安心して受け取る

会社員が亡くなった場合は、勤務先が死亡年末調整を行い、遺族側の申告は原則不要です。年金受給者や事業所得者は、相続人が死亡を知った日の翌日から4ヶ月以内に、亡くなった人の住所地を管轄する税務署へ準確定申告を提出する必要があります。遺族基礎年金・遺族厚生年金・寡婦年金・死亡一時金は、国民年金法25条と厚生年金保険法41条の明文規定により、所得税・住民税・相続税のいずれも非課税です。一方で、未支給年金は遺族の一時所得として扱われ、死亡保険金は500万円×法定相続人数までが相続税の非課税枠になるという点で、遺族年金とは扱いが異なります。

葬儀や相続の手続きに追われている最中に、税金の期限まで正確に把握するのは簡単なことではありません。分からない点があれば自己判断で放置せず、税務署や年金事務所の窓口に具体的な状況を伝えて確認するのが、結局は一番早い近道です。

おすすめ便利ツール
スマホで5分!年末調整の申告書を自動作成

年末調整や確定申告の書類作成をスマホで手早く終わらせたい方は、無料で使える『書けた年末調整』もあわせてご利用ください。

無料で申告書を作成してみる
この記事を友達や同僚にシェアする

年末調整で迷っている方に役立つ情報を届けてみませんか?

🔍 お悩み・キーワード検索

他の年末調整の疑問・用語を調べる

全160本の解説コラムから、知りたい単語ですぐに見つけられます(入力すると下に即時表示されます)。

お悩み解決コラム一覧(全160記事)を見る 申告書作成ツール(するんと入力)をはじめる トップページへ戻る
記事URLをクリップボードにコピーしました!